ソーシャルワークにおけるミクロ・メゾ・マクロの具体的な介入について

 



ソーシャルワークでは、人の生活課題を環境との交互作用から捉える際に、その生活課題をミクロ・メゾ・マクロの3つのレベルから捉えることを試みる。

一般的に大きく捉えれば、ミクロは個人。メゾは地域。マクロは国の政策といえる。ソーシャルワークにおいては、人と環境が連動し、それぞれ交互に影響・作用しあうことで共に良い状況も悪い状況も生み出される、といった考えを基盤とする視点が重要だ。

つまり「人と環境の交互作用」といった視点から、人に生じている生活課題そのものの解決はもとより、なぜその課題が生じているのか?その根本的な原因はなにか?どのような環境から生み出されているのかを分析して見出そうとする。

そして個人の課題の緩和・解決の支援をしながら、その課題が同じ状況にある他の人にも生じないように、その困難や問題を発生させる構造的な原因の解消までを視野に入れる。

この様に課題を捉えようとする視点、また課題解決を本人のみならず環境にも働きかけて緩和・解決しようとすることが、ソーシャルワークといえ、独自性と専門性の二つの重要な要素をもつ。


さて、ソーシャルワーカーは、「人と環境の交互作用の理解のため」、これを行っていくために、ミクロ・メゾ・マクロの3つのレベルを一体的に捉えて臨むことになるが、実際に3つの実践レベルの介入について確認します。

1)ミクロレベルでは、個人・家族やその個人を含む小集団の最小のシステムを対象として介入する。生活課題のある相談者と直接かかわりをもち、生じている課題は何か?どのような関係性からその課題が生じているのか?どのような方法をとるのが最善なのか?クライエントやその家族と共に考えながら、課題の緩和・解決を目指す。そして対象は、個人や家族に限らず、ある共通の問題意識や課題をもつ小集団が支援の対象になることもある。

2)メゾレベルでは、個人・家族や小集団が所属する組織・団体のほか、住居・活動する場所である地域において展開されることが多い。例えば地域住民の組織化の支援、共通の課題や利益、関心を抱く人々のコミュニティの形成や、自治体の地域計画の立案などだ。市町村といった基礎自治体の範囲で捉えられることが多いが、問題解決の内容によって変化する。また、メゾが自治体なら、マクロは都道府県や、日本。メゾが日本なら、マクロはアジア太平洋地域や世界となる。

3)マクロレベルでは、人々の生活課題を引き起こしている社会構造に変化をもたらすことを目的としたもので、「社会変革」といえよう。メゾレベル同様、何をマクロレベルと設定するかにより、設定・視点も変わる。例えば、国の政策立案や法律改正、習慣や人々の意識の変化への働きかけがあげられ、伝統的なソーシャルアクションとして、陳情・請願・署名活動・団体交渉・裁判闘争などがあるが、近年ではソーシャルネットワークを活用する方法もみられるようになった。





*ミクロ・メゾ・マクロの視点
個々のケースにとって、最適な助言やサービスの提案を考えることも日常業務の中で必要ですが、個々のケースを取り組む中で見えてくる地域の課題・行政や制度の課題・自分の機関の中での課題を“発展するためのきっかけ”“ニーズの積み重なり”に置き換えながら連携強化やシステムの変更を行っていくこともソーシャルワークの機能と言える。


地域は維持機能と変化を伴うものであるので、ソーシャルアクションによって人間関係やネットワークが活気づくこともある。


*具体的な介入
ミクロだけではなく、メゾ・マクロの支援を考えていたソーシャルワーカーが多く存在する。

直接的なミクロの支援を基盤として、メゾの視点ではカンファレンスや関係機関と地域の中から生まれるコミュニティワークを行うことができる。ここで、いかに会議やコミュニティを活性化させるかが肝心だろう。


地域の人の集まりや研修などもその機会となる。近接する関係機関と話をする中で話題となることを忙しい業務の中でいかに実践的な取り組みにしていくかが発展と現状維持の分かれ道。

さらにマクロの視点となると、地域資源の開発や行政に働きかける活動になる。そのためには、自分の領域の国の施策や動向を知っておくことが働きかけを始める一歩目となるだろう。

機関の内外の理解や協力を得ながら、どの部分に力を入れていくかをチームで話し合うことも必要だ。



コメント

このブログの人気の投稿

ふるさと納税から、はじめてみよう! ふるさと納税 はじめてガイド

ふるさとチョイスで、はじめてのふるさと納税 メリット・デメリット・手順 まとめ

リハビリテーション医学・医療について勉強してみた