ソーシャルワークの過程、五段階について勉強してみた
ソーシャルワークの過程、五段階について
第一段階は「ケースの発見」と「エンゲージメント」。「ケースの発見」は、ミクロ実践では援助を必要としている人と出会い、援助関係を構築し、問題解決の道筋を協働作業で進める。
メゾ・マクロ実践では、ある一定層の人たちが共通の生活上の困難を抱えていることを知り、その解決のために当事者や関係者と問題意識を共有して、解決のための歩みを進める。
「エンゲージメント」は、ソーシャルワーカーがクライエントと出会い、その人の抱える生活問題の解決を、協働作業で取り組むための関係を築いていくこと。具体的には、利用者が自分の問題や感情を表出することにより、それを意識化し、取り組むべき目標を明確にして、その過程を通して利用者とソーシャルワーカーが対等な援助関係を結ぶことを目的とする。
第二段階が「アセスメント」だ。支援の対象となる人々や地域の状況について把握、理解する過程であり、このアセスメントの結果に基づき具体的な支援や働きかけ方法、必要なサービス等の社会資源を明らかにし、ソーシャルワーク実践の過程が展開されていくことになる。
第三段階が、「プランニング」だ。プランニングでは、アセスメントで得た情報にもとづき、クライエント・システム(個人・家族・グループ・組織・地域)のウェルビーイングの向上を目指し、具体的にどの様な取り組みをするかを決めていくプロセスだ。
第四段階は、「支援の実施とモニタリング」。「支援の実施」は、プランニングによってまとめられた計画を適切に実施していくためにさまざまな実践モデルとアプローチを用いながら、クライエント(個人・家族・小集団・組織・地域社会)、環境(サービスを提供する人・機関等の社会資源)、そしてクライエントと環境の関係(交互作用)に向けて実施する、ソーシャルワーカーによる働きかけであり、計画された目標を達成していくことを目的とする。
介入、実施、実行、実践活動とも言い換えられる。ソーシャルワーカーには、クライエント、環境、そしてクライエントと環境(交互作用)への働きかけが一体となった総合的な支援実施が求められる。
「モニタリング」は、計画の進捗状況やクライエントのニーズへの対応状況、目標の達成状況などの観点から、支援開始後の経過を継続的に確認、評価することだ。
第五段階は、「支援の終結と結果評価・アフターケア」だ。ソーシャルワークの最終段階(ターミネーション)。ワーカーとクライエントの双方の努力や成果について両者が振り返り、要約、評価し、同意のもとワーカー・クライエント関係を解消する。クライエントはその取り組みと成果を理解することが重要で、ソーシャルワーカーは支援の経過、内容、効果を要約し伝える必要がある。また支援関係の終結で双方の心理面で抵抗感と不安を生じさせる場合があり、そのアフターケアにも留意するべきだろう。
ポイント
ソーシャルワークの過程は、基本や原則はあっても、現場によってアセスメント基準や実践の幅が異なる。
自分の軸となるソーシャルワークの過程を経験値として上げていくと同時に、各現場で必要となるソーシャルワーク像のひな形を変えていくことも求められる。
基本となるソーシャルワークの過程
ソーシャルワークの過程は、Ⅰケースの発見とエンゲージメント(インテーク) Ⅱアセスメント Ⅲプランニング Ⅳ支援の実施とモニタリング Ⅴ支援の終結と結果評価・アフターケアになるだろう。
インテークはクライエントとの出会いであり、自分の立場を紹介することと相手の現状やニーズについて関係を築きながら、聴いていく姿勢が求められます。緊張感が高かったり、支援を望んでいないクライエントとどのように会話を進めていくか、その中からどのように緊急性を判断する情報収集を行っていくかなど知識と経験からスキルアップをしていくことが必要だろう。
また、ソーシャルワークの過程を見直すことは、自分のケースワークやソーシャルワークにおいて、どの部分を大事にしているか、どの部分は不十分であるかを点検する指標にもなる。
自分に合ったソーシャルワークを行うために、クライエントに伝わりやすいパンフレットを用意したり、アセスメントやプランニングを行いやすい記録シートを作る工夫も必要だ。
行政や民間など現場によってケースの発見やクライエントの支援に対する受けとり方が違う。
情報提供や関係機関への繋ぎだけではなく、最大限のソーシャルワークを行うためにも、地域での近接領域の支援を知ったり、自分の機関が求められているニーズを理解することで支援の幅を広げていくことができる。
ソーシャルワーク活動をチームで行っている場合には、どのようにアセスメント基準をおくか、プランニングの選択肢を広げるか、どのように終結のタイミングやアフターフォロー基準をおいていくかなどチームの中に検討できるしくみを作っておくことが有用で、定例報告や定期的な会議、年度ごとの見直しの中で、支援を厚くするしくみを作ることができるだろう。
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