ソーシャルワークの展開過程について。



ソーシャルワークの展開過程について。

まずは、1)ケースの発見とエンゲージメント(インテーク)だ。ソーシャルワークの最初の段階でミクロ実践とメゾ・マクロ実践に分けることができ、自ら援助を求めるケースもあれば、諦めてしまっているケースもあり、周囲の関係者が状況を問題視して、援助機関に接触するなど様々なケースがある。

エンゲージメントは、クライエントと出会い、その人の抱える生活問題の解決を、協働作業で取り組むための関係を築いていくこと。クライエントの言葉に耳を傾けて、状況を明確化しクライエントの感情、認知面を理解し強みと資源を把握し、方向性を決め課題解決の為の方法、方向性に対する合意形成をすることになる。

次は、2)アセスメントだ。支援の対象となる人々や地域の状況について把握、理解する過程であり、このアセスメントの結果に基づき具体的な支援や働きかけ方法、必要なサービス等の社会資源を明らかにして、ソーシャルワーク実践の過程が展開されていくことになる。

次は3)プランニングだ。ソーシャルワークにおけるプランニングでは、アセスメントで得た情報にもとづき、クライエント・システム(個人・家族・グループ・組織・地域)のウェルビーイングの向上を目指して、具体的にどの様な取り組みをするかを決めていく過程だ。個人・家族の場合は、面談。グループの場合は、ミーティング。組織や地域の場合は、会議、委員会を通してプランニングが進められることになる。

次は4)支援の実施とモニタリングだ。プランニングによってまとめられた計画通り、適切に支援するために、さまざまな実践モデルとアプローチを用いながら、クライエント(個人・家族・小集団・組織・地域社会)、環境(サービスを提供する人・機関等の社会資源)、そしてクライエントと環境の関係(交互作用)に向けて支援を実施して行く。

ソーシャルワーカーには、クライエント、環境、そしてクライエントと環境(交互作用)への働きかけが一体となった総合的な支援を実施することが重要だ。

モニタリングは、計画の進捗状況やクライエントのニーズへの対応状況、目標の達成状況など、支援開始後の経過を継続的に確認、評価する過程だ。

そして最後が、5)支援の終結と結果評価・アフターケアだ。ワーカーとクライエント双方が振り返り、要約、評価し、同意のもとにワーカー・クライエント関係を解消する。クライエントには新しい生活システム、自律的に自らの生活を選び取っていく過程となる。結果評価はソーシャルワーク実践が適切に行われ、クライエントに望ましい変化が起こったのか?その確認をする過程だ。

アフターケアとして、生活課題の再燃、新たな課題の発生により支援が必要になる場合は再開し、不安なクライエントや、インボランタリーなクライエントには終結後も必要に応じてアフターケアができる体制が重要となる。




ポイント


『ソーシャルワークは、専門職としての価値観を基盤として、知識および技術をクライエントの状況やニーズに合わせ、創造的に組み合わせて展開することが求められる。』


ソーシャルワークを実践するうえで、専門職の価値観を身につけていることが前提として重要だろう。


「創造的に組み合わせて展開すること」、個々の状況やケースに合わせてクライエントの自己実現や最善の利益追求のための柔軟さを持つことが大切だろう。


『ソーシャルワークの基本的なプロセスは、エンゲージメント(インテーク)、アセスメント、プランニング、支援の実施とモニタリング、支援の終結と結果評価、アフターケアという構成要素から概念化されている。』というのが、まさに実践におけるソーシャルワークの展開過程となる。


加えて、ソーシャルワークの展開過程を理解するうえで重要となる点は、『ソーシャルワークは、クライエントのウェルビーイングの実現や問題の解決に向けて展開されるため、各要素が独立して機能しているのではなく、そのプロセスは本質的に円環的である。』といった点だ。


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