投稿

12月, 2023の投稿を表示しています

社会福祉の対象とニーズについて勉強してみた

イメージ
社会福祉の対象とニーズについて  まずは「ニーズ(必要)」について確認します。自分にとって「何が欲しい」か?は、本人しか判断できませんが、自分にとって「何が要る」か?といった点に関しては、本人も、他人も判断できます。 つまり、ニーズ(必ず要る=必要)という概念の特徴は、ある人にとって何かが必要であると判断する主体が、常に本人であるとは限らないということになります。  社会福祉において「ニーズ」を把握することが重要であることは言うまでもありません。これは支援される本人と、支援する者が共に問題解決への道を探る上でとても大切な心構えだといえます。   次に社会福祉の対象について、一般的には、障がい者・高齢者・児童・貧困者といった属性的・属人的な分類になりますが、古川孝順氏による「生活支援ニーズ論」を参考にすることでより理解が深まります。   古川氏によれば、まずは「一般ニーズ」(生理的・人格的・社会的ニーズ)と「生活ニーズ」(一般ニーズのうち直ちに生命維持にかかわり、社会関係や社会制度とのかかわりで満たされるもの)を区別します。  そしてこの「生活ニーズ」が満たされない状態を「生活支援ニーズ」と呼び、自助努力でも家族や市場などの経路によっても満たせず、公的支援の提供が社会的合意を得られる場合に、「社会的生活支援ニーズ」として転化するとしました。   そしてさらにこの「社会的生活支援ニーズ」を「所得保障ニーズ」「保健医療ニーズ」「福祉ニーズ」に分類しました。   ただしこれらのニーズの全てが社会福祉の対象になるわけではなく、あくまで社会福祉制度の基準に合致して認定される(対象化)ことではじめて社会福祉の制度によって扱われると強調しました。  古川氏の「生活支援ニーズ論」は、普遍的で基本的な必要(一般ニーズと生活ニーズ)から、社会的必要(生活支援ニーズ)へ、さらには制度的必要(社会生活支援ニーズ)へと至る重層的なニーズ構築の全体像を捉えており、誰がニーズを捉えたり、決めたりするのか?といったニーズをめぐる認識主体の問題に焦点を当て、社会福祉における「社会行動システム(社会運動を通じた異議申し立ての経路)の重要性を指摘してます。   これは、昨今においても、対象の変化(ニーズの現代化)にどのように応答するか?といった課題解決への道標といえるものです。昨今ではニートやフリーターに

ソーシャルワークの基盤となる考え方について勉強してみた

イメージ
ソーシャルワークの基盤となる考え方   ソーシャルワークは、個人や社会が「より良い状況」になることを目指すもので、個人と社会の双方に働きかけることが必要だ。この「良い状況」へ向かうこと、その状況を作り出す上で大切な、ソーシャルワークの基盤となる考え方とは、つまりソーシャルワークの原理を常に意識することに他ならない。 そしてそのソーシャルワークの原理とは、「社会正義の実現」、「人権の尊重」、「集団的責任を果たすこと」、「多様性尊重」がある。  具体的には、「社会正義の実現」とは、社会に不公平がなく、一人一人が理にかなった扱われ方をしている状態だ。援助してほしいといえる人も、言えないでいる人も、特定の人だけでもなく、社会を構成する全ての人が同じように扱われる必要がある。   「人権の尊重」とは、いうまでもなく「人が人として生まれながらにもっている権利」を尊重すること。誰もが当然に有し、原則公権力から奪われたり制限されることもなく、人種や性別、身分や能力に関係なく全ての人が当然に享受できるものだ。ただし、自分の権利を守るとともに、他者の権利を犯してはならないという意識も忘れてはならない。   「集団的責任を果たす」こととは、つまり「共同体の責務を果たす」ことといえる。これは2つの側面があり、1つは日常的に個人の権利が守られるために、人々が自然を含む社会資源などの環境に対して責任を持つこと、2つ目は共同体の中で人々がお互いに関係を形成し、助け合って生きる責任があるということ。つまり他者との関係性における責任と、人を取り巻く全ての環境に対する責任を相互に負うことで、誰にとっても住みやすい社会をみんなで協力して作ろうという考え方だ。大事なのは他者を自分とつながりのある者、共通性のあるものとしてとらえて、その痛みを我がこととして感じることができるか?ということになる。これが他者に対する受け止め方や行動に影響するからだ。   「多様性の尊重」とは、国籍、人種、性別、階級などの生来のもの、言語や職業、居住地域や宗教など後天的な環境要因によるもの。さらには能力、嗜好、信条、性的指向などの個人のライフスタイルといった分類などいろいろあるが、人は一人として全く同じ人はいないことを忘れてはならない。一人一人が分類しきれない多様な性質をもつ存在であること。その一人一人をそのまま受け入れて認め

アタッチメント理論について勉強してみた

イメージ
  アタッチメント理論 アタッチメントとは 愛着と訳すことができる。 元々は小さなものが大きなものにくっつく、付着するという意味だ。そしてアタッチメント理論とは、ヒトをはじめ霊長類や鳥類の幼体が誕生後まもなく、特定の成体に対して形成する結び付き、及びそのメカニズムに関する理論の総称。言い換えれば、「母親(養育者)の世話・養育を求める乳児の行動」に関する理論で、精神科医のジョン・ボウルビィによって提唱された概念だ。 ジョン・ボウルビィは1951年のWHO(世界保健機関)からの調査依頼により、以下の内容を報告してます。成育環境の影響の重大さについて、母性剥奪(マターナル・ディプリベーション)の観点からまとめられたもので、アタッチメントへの理解に、大きな影響を及ぼすきっかけとなりました。 基本理論の具体的内容は、親から離れて暮らさざるを得ない環境にある、様々な文化的背景をもつ子供たちを研究して、人生初期の重大な情緒剥奪は、様々な深刻な発達上の課題を引き起こすことを見出したものである。そしてその課題とは、 共感性の欠如。非行行動等の行為障害、愛情の受け取りや提供に伴う困難さ、注意の調整不全 などがあげられる。 ジョン・ボウルビィ以外にもアタッチメント理論の構築に大きく寄与した例があり、アンナ・フロイト(ジグムント・フロイトの娘)は、ロンドンで開設した戦災孤児の施設で観察された子供たちの 情緒的な不安定さ、不眠、抑うつ、攻撃性 などを観察。 ハーローは、アカゲテナガザルによるアタッチメントの研究で貢献。ミルクを持った針金でできた代理母より、ミルクを持ってない肌触りの良い毛布に覆われた代理母の人形にしがみつく結果から スキンシップによる情動調整の重要性を示唆 した。 また、ジョン・ボウルビィは、ローレンツや、ティンバーゲンらの動物行動学の影響を受け、 アタッチメントとは本能である と述べた。サルの世界において、実親が子育てに疲弊した時に、他のサルが子育ての肩代わりをする事例を引用した。そして、アタッチメントの対象は、母親や、それに代わる人物と捉えるようになった。つまり、 養育者は母親・父親などの実親だけとは限らない こと。これは、「子供家庭福祉」「社会的養育」の理論的な根拠となり、社会的なネットワークの重要性を導き出したといえる。 また、 生後1年間の後半において、保育者は安全

リハビリテーション医学・医療について勉強してみた

イメージ
リハビリテーション医学・医療  まず始めに、リハビリテーションの定義について確認、そしてリハビリテーション医学・医療の目的と対象、それにかかわる関連専門職について述べていきたいと思います。 元々の「リハビリテーション」の意味は、「失われた地位の回復、権利や名誉の回復、復権といった意味がある一方で、昨今では健康状態の回復という意味でよく使われている言葉です。この場合の定義は、「心身に障害を残した患者が心理的・社会的に再適応し社会復帰すること」つまりこれが、広く一般的に使われているリハビリテーションの定義と言えます。 リハビリテーション医学・医療の目的 リハビリテーション医学・医療の目的は生活機能の低下、活動の制限や参加の制約の改善に医学的視点からかかわることで、 日常生活動作(ADL)の改善と、生活の質(QOL)を高める ことです。日常生活動作とは、食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴など。生活の質とは、主観的な幸福感、生活の質であり、身体的、精神的、社会的、環境的な要因など含めた生活の質を意味します。 対象の診療領域は、脳血管疾患、神経筋疾患など様々ですが、昨今の高齢化社会では転倒予防につながる筋力維持や体力維持を目的とした個人の運動習慣の啓発なども対象となっています。 そしてリハビリテーション医学・医療にかかわる関連専門職は、非常に多岐にわたり、患者を中心とした様々な種類の専門職がそれぞれの専門性を活かした、チーム医療で行われるのが特徴です。具体的には、患者のリハビリテーション治療のゴール設定や、必要なアプローチなどについて専門職域間のカンファレンス(会議)で治療の方向性を確認して協働で治療にあたります。主に、 医師・看護師・理学療法士(体操・運動・マッサージ)・作業療法士(手芸・工作)・言語聴覚士(言語訓練) などですが、 他にも保健士・介護福祉士・栄養士・ソーシャルワーカー(社会福祉士・精神保健福祉士) など、他職種の専門職と介護福祉に関連する様々な職種がチーム医療として連携・協働してかかわることで、患者を包括的にサポートします。 これを包括的リハビリテーションといい、 疾病の治療と再発予防、服薬指導、生活習慣の改善を目的とした栄養指導、体力維持のための自己練習指導 など様々な内容が含まれます。昨今は医療の発達で障害を持った人、患者さんが長生きできる時代となりま

ふるさとチョイスで、はじめてのふるさと納税 メリット・デメリット・手順 まとめ

イメージ
  ふるさとチョイスでふるさと納税、使い方とメリット・デメリットをご紹介   正直どこのサイトからはじめるか?悩みましが、まずは老舗中の老舗、「ふるさとチョイス」に決めました!数あるふるさと納税サイトの中でも一番返礼品数が多いのが特徴です。そして選んだ理由はズバリ! ユーザーが一番多い こと、そして 寄付金額も一番多いこと 。 つまりみんなが使ってるからあんしん ということです。いたってシンプルな理由ですね。でもやっぱりはじめての人は不安な気持ちになるでしょう。そんなあなたのために、まったくの初心者が、ふるさとチョイスの使い方と、会員登録から、ふるさと納税の手順、メリット・デメリット、口コミをご紹介するので参考にしてください。 ふるさとチョイスでふるさと納税 手順 手順1 会員登録する これはいたってかんたん! 名前・メールアドレス・ID・パスワード を決めれば数分で大丈夫。スーパーバイジーでもかんたんにできますが、会員登録しない選択肢もあります。1回限りなら問題ありませんが、これからもふるさとチョイスを利用するなら、会員登録しておいた方が手間がかからず、ポイントがもらえるので、やっておいた方が楽だしおトクです。 *会員登録しないと、寄付を受け付けない自治体もあります(デメリット) *寄付履歴が確認できる/登録した情報が自動反映され入力を省ける(メリット) https://www.furusato-tax.jp/?header ふるさとチョイス公式HP 会員登録>会員登録情報を入力>メールを受取って、会員登録を完了させる 名前やメールアドレスを入力します パスワードや、出身地なども入力します メールを受け取ってから、本登録がはじまります 手順2 控除限度額を調べる かんたんシミレーション、控除上限額シミレーションをやってみる 細かいところは、年収がバレてしまいますので省きます。スーパーバイジーもシミレーションの結果、2万円程度なら寄付できそうなので、まずは限度額ギリギリを狙わずに小さな一歩からスタートします。 かんたんモードと、控除上限シミュレーションあり まずは年収、その他の収入を入力 家族構成や、扶養の有無を選択します 生命保険控除・医療費控除などあれば入力します ふるさとチョイスHPより https://www.furusato-tax.jp/about/si